塩化カルシウムに強い結束バンド

一般的な66ナイロン製結束バンドは、塩化亜鉛や塩化カルシウムなどの化学物質によって劣化してしまうことがわかっています。

塩化カルシウムなどの化学物質は腐食生成物といい、いわゆる錆を発生させて物質の外見や機能を損ないます。また、ソルベントクラック(環境応力亀裂・ケミカルクラック)という現象が起こることがわかっています。ソルベルトクラックとは、溶剤、または化学薬品が樹脂に浸透することによって、樹脂の内部から亀裂を生じる現象です。ソーラーパネルの架台や屋根材に使用した結束バンドは、1年も持たずに壊れてしまう可能性があります。

このため、耐塩害性が高い11ナイロン結束バンドが作られました。耐候、耐熱、耐薬品の強さを備え、20年相当の試験時間が経過した後も劣化はほとんど見られませんでした。耐候というのは紫外線に対する強さです。紫外線に抵抗がある結束バンドは、紫外線しゃ蔽剤カーボンブラックを添加しているため黒色のものがほとんどです。中には景観を損なわないためにグレー乳白色のものもあります。

紫外線による劣化でも破断が起きることがあるので、屋外にはこの耐候表示があるものを使いましょう。塩害が考えられる地域は海付近の他に、降雪部や山間部があります。融雪剤・凍結防止剤の主成分は塩化カルシウムだからです。こうした地域の道路やトンネル内での配線工事で使用する結束バンドも、11ナイロン製のものを使用することが推奨されます。

Leave a Reply

Your email address will not be published. Required fields are marked *